文 ジェス・M・ブロウヤー
絵 ピーター・H・レイノルズ
訳 なかがわちひろ
発行 主婦の友社
毎月お寺で行っているわかちあいの会は、「じぶんを落ち着かせるじかん」と「互いの気持ちをわかちあうじかん」の二部構成です。
「じぶんを落ち着かせるじかん」では、毎月が私がチョイスしたグリーフケア絵本や詩の朗読をしています。今回はその中から、【テスの木】をご紹介します。
この絵本の主人公は6歳の女の子テス。
庭にある大きな木が大好き。
その大きな木は樹齢175歳。
いつも一緒に遊び、
語りかけていた大きな木が
切り倒されてしまう…
区切りの儀式を通して
この木を愛した人たちがいたことを知ったテス。
テスの木は もう ないけれど、
たくさんのひとの こころのなかに
いろんな おもいでが たいせつに
しまわれているのです
ジェス・M・ブロウヤー文 テスの木
喪失を経験したあと
何もかも失ってしまった…
と虚しさが大きくなった時
この「テスの木」を手に取り、
『大事に関わってくれた人たちの
そして自分の
心の中にしまわれている思い出は消えない』
ということ思い出して欲しいです。
今すぐは無理でも
いつかそんなふうに思える時がきたら、
哀しい気持ちでいっぱいだった日々に
ほんの少しだけあたたかみを
まとった風が舞い込むような
感覚をおぼえるのかもしれません。

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