著者 長田弘
画 グスタフ・クリムト
発行 株式会社クレヨンハウス
私が初めて長田さんの言葉に触れたのは「最初の質問」でした。いちど触れると心に沁み入る感覚をまた体感したくなって、次に求めたのが『詩ふたつ』でした。
『詩ふたつ』は、「花を持って、会いにゆく」「人生は森の中の一日」のふたつの詩からなる詩集です。
遺された人となった長田さんが、亡くした人を想い、亡くしてから知らされた気持ち、願いのようなものを優しく表現されているように思います。
死ではなく その人が
長田弘 花を持って、会いにゆく
じぶんのなかにのこしていった
たしかな記憶を わたしは信じる。
もう二度と会うことが叶わないと思うと、哀しくて、淋しいけれど、そんなとき大切な人を想いながら、両手いっぱいに長田さんの言葉を抱きしめてみてほしいです。